もしも主役を演じられるとしたら?【中田青渚の大切なひとり時間 Vol.8】

中田青渚

「普段自分の考えをしゃべる機会がないんです」という中田さんのひとり時間についてお聞きする連載企画です。読んだ本、観た映画、そして新しい挑戦など。連載を通じて中田青渚さんの魅力をお届けします。

BS時代劇『善人長屋』にて初の主役を務めることが発表された中田さん。主演してみたい映画の作風と一緒に、今のお気持ちをお聞きしました。

中田青渚
なかたせいな|俳優
2000年、兵庫県出身
『第5回Sho-comiプリンセスオーディション2014』でグランプリを獲得し、俳優デビュー。2021年に出演した『街の上で』『あの頃。』『うみべの女の子』にて第43回ヨコハマ映画祭の最優秀新人賞を受賞。

ー「もし主役を演じられるとしたらどんな作風がいいですか?」とお尋ねしたところ、中田さんから「『勝手にふるえてろ』です」とお答えいただきました。本作は芥川賞作家・綿矢りささんによる同名小説の映画化作品で、松岡茉優さん演じる恋愛経験のない主人公ヨシカが2つの恋に悩み暴走するコメディです。なぜこの作品を選ばれましたか?

「ヨシカの一人語りを軸にテンポよくストーリーが進むところと、何でもありな作風が好きで、こんな主人公を演じてみたいと思いました。特に前半の妄想部分は、次にどんなことが起こるんだろう?とワクワクしながら観たことを覚えています」

ー小説の映画化はリアリティーを追求する作品が多い中、『勝手にふるえてろ』は漫画のようにスピード感のある展開と、古舘寛治さんや片桐はいりさんなど、個性的なバイプレイヤーの演技も魅力的ですよね。

「そうなんです!ヨシカは一つのことに集中すると、周りが見えなくなってしまう。私も一度にたくさんのことを考えるのが苦手で、“今は目の前の仕事を頑張る!”と集中すると、視野が狭くなりがちで…。そういう意味で、ヨシカの行動が理解できましたし、魅力的なキャラクターだなと思いました」

ー作品づくりをする上で、主役は撮影現場のムードメーカーであり、時にはカメラが回っていないところで共演者のケアをする柱のような存在です。中田さんがこれまで出演した作品で、印象に残っている主役の方とのエピソードを教えてもらえますか?

「映画『君が世界のはじまり』で共演した松本穂香さんです。撮影に入る前、うまくできなかったらどうしようと悩んでいたときに“2人で会わない?”と連絡をいただきました。そこで具体的に演技の話をしたわけではないのですが、2人の時間を作ってくださったことがとにかく嬉しくて。撮影に入ってからもずっと一緒にいて、たくさんお話をしましたし、私もこういう人になりたいなと思いました」

ーそんなタイミングで、今年7月に放送されるBS時代劇『善人長屋』にて初の主役を務めることが発表されましたが、今のお気持ちはいかがですか?

「ビックリしました。(笑) 共演者は溝端淳平さん、高島礼子さん、吉田鋼太郎さんなど大先輩ばかりで、とにかく緊張しています。撮影前の目標は、たくさんコミュニケーションを取ること。これまでは話しかけていただくことが多かったですが、今回は自分から積極的に話しかけて、より良い作品にしたいです。でも、私は緊張しやすい性格なので、どうやって話しかければいいのか…。取材でいろんな方とお話されると思うんですが、どうやって会話のきっかけを作っているのですか?」

ー取材する方の出演作品や書籍、SNS、ブログに目を通して会話のきっかけを探します。例えば「先日公開されたYouTube拝見しました!」みたいな話をすると、嬉しそうに話をしてくださる方が多いですね。

「勉強になります!私のお悩み相談みたいになってしまいましたね。(笑) 俳優のお仕事を始めたばかりのときは余計なことを考えず、いい意味でまっさらな気持ちでお芝居をしていましたが、知識や経験を重ねると同時に責任も増えて、ここ2年ぐらいは常に緊張しています。光栄なことに主役という大きなチャンスをいただけたので、緊張しすぎず、お芝居を楽しめるように頑張ります!」


文 / 大川竜弥 撮影 / 西村満 スタイリスト / 山川恵未 ヘアメイク / 牧口友紀(TOKYO LOGIC)

中田青渚 俳優

2000年、兵庫県出身。『第5回Sho-comiプリンセスオーディション2014』でグランプリを受賞し、俳優デビュー。映画『君が世界のはじまり』、『街の上で』、『うみべの女の子』等出演。

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