『フラガール』の蒼井優さんが同じ21歳とは思えない【中田青渚の大切なひとり時間 vol.4】

中田青渚

「普段自分の考えをしゃべる機会がないんです」という中田青渚さんの素顔をのぞく連載企画。テーマは「大切なひとり時間」。今回は中田さんが尊敬する蒼井優さんについてお聞きしました。名作『フラガール』出演時の蒼井優さんは現在の中田さんの同じ21歳。「とても同い年とは思えなくて」と語る中田さんですが…

©2006 BLACK DIAMONDS

『フラガール』
昭和40年、閉鎖の迫る炭鉱町は北国をハワイに変える起死回生のプロジェクトを立ち上げた。目玉となるフラダンスショーのため、東京からダンスの先生がやってくるも、生徒はドシロウトの炭鉱娘のみ。嫌々ながら教える彼女だったが、生きるためにひたむきに踊る少女たちの姿に、いつしか忘れかけていた情熱を思い出してゆく。

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©2006 BLACK DIAMONDS

ー今回のテーマは、中田さんが尊敬している蒼井優さんが出演された映画『フラガール』です。同作が公開されたのは、2006年。蒼井優さんが現在の中田さんと同じ21歳のときの作品ですが、改めてご覧になられていかがですか?

「とにかく、表現力がすごいです。物語の序盤は少女なのに、ラストのフラダンスシーンでは大人の色気があって、同じ21歳とは思えない…。初めて『フラガール』を観たのは事務所に入ったときなので、今から6年前。当時は作品を純粋に楽しんだ記憶があります。今回は物語を楽しむよりも勉強というか、少し違った視点で観ちゃいました。
印象に残ったのは、蒼井優さん演じる紀美子がレッスン場の外から先生のフラダンスを覗くシーン。私はなにかを見つけるシーンのお芝居に苦手意識があって。リアクションが大きすぎると不自然だし、小さいと伝わらないじゃないですか。セリフなしで感情を表現するシーンなので、すごく難しそうだなと思いました」

ー自分に置き換えて作品を分析できるのは、中田さんが俳優として成長されている証だと思います。他にも気になったシーンはありましたか?

「ありがとうございます!蒼井優さんが走るシーンにも目を奪われました。スポーツ選手のようなカチッとしたフォームでなくても、スピードが出ていなくても、表情から“追いつきたい”という感情が伝わってくるんです。しかも、運動会で全力疾走する子どもみたいに手を振るから少女らしさもある。以前、走るシーンを演じたときに走り方のお芝居の勉強をしたこともあって、蒼井優さんの表現力に見入ってしまいました。
蒼井優さんの魅力は、どんな作品でも、どんなシーンでもナチュラルさがあるところだと思っています。もちろんお芝居だから作っているんですけど、作られた感じがしないと言いますか。私は自分のお芝居を見て“作っている”と感じてしまうことがあるので、『フラガール』を観返して、改めて蒼井優さんのお芝居に魅了されました。もしお芝居について質問できる機会があったら、役によってイチからキャラクターを作り上げていくのか、自分のなかに役作りの軸があって、そこからアレンジしていくのかとか、アプローチについて聞いてみたいです」

ー最後に、2022年の抱負を聞かせてください。

「今年の春に大学を卒業するので、社会人1年目になります。今も俳優のお仕事をしているので社会人といえば社会人なんですけど、改めて初心を忘れず仕事に向き合いたいなと思います。具体的な目標は、もっともっと学生の役にチャレンジしたいですね。高校生や大学生の役って、見た目的にも年齢的にも演じられる期間が限られているじゃないですか。
学生の役をやらせてもらえる間にたくさん演じたいです。自分が学生の間は無かったことも経験できるから、役の分だけ青春を感じられるかなって。(笑) 大学は卒業しますけど、俳優としての学生(役)はもう少し続けたいです」

撮影 / 鎌田瞳 文 / 大川竜弥

中田青渚 俳優

2000年、兵庫県出身。『第5回Sho-comiプリンセスオーディション2014』でグランプリを受賞し、俳優デビュー。映画『君が世界のはじまり』、『街の上で』、『うみべの女の子』等出演。

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